2026年8月25日火曜日

「神社明細帳」

 明治11年(1878)、当時の内務省は社寺の創建や再興、移転、廃合、改称などの出願届出の指示として「社寺取扱概則」を通達。次いで明治12年(1879)に「神社寺院及境外遙拝所等明細書式」を府県に通達。これによって、記載の項目、形式が統一された「神社明細帳」が作成されました。

 完成した神社明細帳は、各府県と内務省に保管され、出願、届出があると加筆、修正がなされ、内容を反映させることが義務付けられた「公簿」として機能していたとされます。

 内務省に保管されていた神社明細帳は戦後、文部省宗務課に引き継がれ、その後、昭和36年(1961)に公簿原本が文部省調査局宗務課から国文学研究資料館へ移管されて、現在では閲覧申請することで閲覧が提供されています。各府県に保管されていたものは各公文書館や大学などに保管されていることが多いようです。神奈川県の神社明細帳は神奈川県立公文書にて「明治12年神社明細帳(三浦郡)」「(鎌倉郡)」「(足柄上郡)」がデジタルアーカイブとして公開されている他、東京大学デジタルアーカイブポータルにて「神奈川県神社明細帳断簡」が公開されています。

 内務省保管の神社明細帳は国文学研究資料館に「横浜市」「川崎市」「三浦郡」「小田原市」「藤沢市」「平塚市」「足柄下郡」「愛甲郡」「橘樹郡」「鎌倉郡」「都筑郡」「横須賀市」「鎌倉市」「津久井郡」「高座郡」「国幣中社寒川神社明細帳」「官幣中社鎌倉宮明細帳」「国幣中社鶴岡八幡宮明細帳」が閲覧申請可能となっていました。(2026年8月24日、閲覧したのは高座郡のみ)

 相模国範囲で気になっているのは「大住郡(秦野、伊勢原)」「淘綾郡」の分が無いこと。今後の調査継続対象になりますね。


『〔神奈川県神社明細帳断簡〕』(東京大学文学部宗教学研究室所蔵) 出典: 国書データベース,https://doi.org/10.20730/100200483


2026年8月16日日曜日

「皇国地誌残稿・郡村誌」(2)

 以前「皇国地誌残稿・郡村誌」(1)という記事を書きましたが、今回はその追記と補足となります。

 おさらいですが、皇国地誌残稿・郡村誌は明治初期の官撰の地誌事業で、各府県から提出された郡村誌原稿は関東大震災で大部分が焼失、編纂が実現することなかった地誌であり、現在読むことのできるものは写し等の残稿、それらの翻刻本となります。

 前・当記事で紹介している皇国地誌残稿・郡村誌は「神奈川県皇国地誌残稿所在目録」(神奈川県図書館協会、平成26年)という皇国地誌残稿の所在をまとめた目録を参考に、実際に刊行物、原本複製物などを確認したものを載せています。

 複製物、原本の所在が確認できるものの、閲覧許可が出なかったものは、その旨と年月日を記録しています。また、未確認、問合せ中のものは載せていません。

  • 前記事で抜けていた開成の各村、小田原の久野村は翻刻本が出版されています。
  • 書名の前に▲マークがあるものは、形式は皇国地誌に沿っているが明確ではない資料。
  • 県立公文書館とあるのは「神奈川県立公文書館」にて閲覧申請(PDFを除く)が必要で撮影についても申請後確認が必要です。
  • 中里村の皇国地誌残稿は翻刻本無しのため複製物の閲覧には二宮町教育委員会生涯学習課に問合せが必要。